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今書いてるメインのSSは、「人形と花、ときどき蟲」なのですが、
ぶっちゃけ進まんとです。難しい。その分、力は入ってますが・・・。
で、息抜きに、東方で軽く書きました。
実はちょっと前に某投稿型サイトに落としてるんですが、まあ気にしない方向で。
キャラの名前は敢えて出してないです。皆様方で予想して遊ぶのも楽しいかもですね。
では、いつも通り本文は、下の「続きを読む」ボタンからどうぞ。
今回はかなりの短編です。
ぶっちゃけ進まんとです。難しい。その分、力は入ってますが・・・。
で、息抜きに、東方で軽く書きました。
実はちょっと前に某投稿型サイトに落としてるんですが、まあ気にしない方向で。
キャラの名前は敢えて出してないです。皆様方で予想して遊ぶのも楽しいかもですね。
では、いつも通り本文は、下の「続きを読む」ボタンからどうぞ。
今回はかなりの短編です。
「で? 結局何もありゃしないじゃないの」
「何ってそりゃ、空を見てみろよ」
まるで話が通じていない。取り敢えず、私は魔法使いに言われるがままに空を見上げた。
・・・話は現在から数十分前に遡る。
私はゆっくりと寝ていたのだ。一応魔法使いという種族に入っているし、魔力で睡眠くらい補えるだろうという意見もあるが・・・そんなことは今はどうでもいい。問題は、近所に住んでいる人間の魔法使いが、その私がゆっくり眠っている真夜中に私のもとを訪れ、なぜかピクニックに誘われたということだ。こつこつとノックされたのはベッドのすぐ横にある窓で、私がカーテンを開けて真っ暗な外を見ると、魔法使い――名を霧雨魔理沙と言う――が、手に大きなバスケットを持って、箒に跨ったまま滞空していた。魔理沙はよぉ、と一言窓ごしに言うと、次には開けてくれと要求してきた。何が何だかわからないまま出かける準備をさせられ、魔理沙の箒に乗っけられて冬の真夜中の空に飛び出した。
「寒くないか?」
背中越しに聞こえる声は、私のことを気遣っていた。
冬とは言っても、秋が終わったばかりの初冬だ。初雪さえまだ降ってはいない。
「大丈夫よ。それより、いったい何の用なのかしら?」
「へへっ。昨日、夜の散歩をしてたら、ちょっといい場所を見つけたんだ。妖精もいないし、割と居心地のいい場所なんだ」
吹きつける風に乗って聞こえる魔理沙の声は、いつもより興奮しているような気がした。
「昼間じゃダメなの?」
少々呆れ気味な私の声。心のうちでは、私も興奮していたけどそれを何とか隠したくて、ついついいつもぶっきらぼうでつまらなさそうな口調になってしまう。私の悪い癖だ。
「んー・・・夜の方が、私は好きだからな」
いまいちピンとこない。でも、何にしても魔理沙は私を誘ってくれたのだ。拒否する法はない。
「ふぅん・・・まあ、いいわ。でももしもそこがつまらない場所だったら・・・」
一応の確認を取ろうとする私を魔理沙がさえぎる。力強い口調で。
「その心配はないぜ」
こんなやり取りの間、箒は魔理沙に酷使され続けている。スピードの出し過ぎで柄がしなるんじゃないかと思わせるほどだ。もう少し行くと妖怪の山に入ってしまう。私は少し心配になってきて、魔理沙の背に体重を預けるようにして不安を解消しようとした。
それを感じてか、魔理沙は低く唸るように一言。
「大丈夫、もうすぐだぜ・・・!」
・・・時は現在に戻る。
妖怪の山の麓、寒々しい様相を呈している落葉樹の林の木々の中、ぽっかりと開いた広場があった。そこにはまだ雑草のような柔らかな草が生い茂り、いくらか紅葉した落ち葉が引っ掛かって残っていたりしている。座ると、日中の日の光をたっぷりと含み残した草が柔らかく迎えてくれて、暖かい。
魔理沙に言われたとおり空を眺めると、そこには冬特有の澄んだ空気によっていつもにもまして輝き誇る星々が、まるで宝石を散りばめたかのように煌めいていた。
「・・・!」
ぐっ、と唾を飲み込む音が、やけにはっきりと聞こえた。・・・星に、圧倒された。
「すごいだろ・・・?」
横ではいつの間にか魔理沙があおむけにひっくり返って、組んだ手を枕代わりにして星を眺めていた。
その目を、瞳を見た私は、そこに映り込んだ無数の光の粒にまた圧倒された。
「すごいわ・・・」
素直に感想を述べると、魔理沙は首をめぐらしてこちらを向き、いつもの笑い顔を向けてくれた。にっと、およそ少女に似つかわしくないあの笑いだ。私が大好きな、魔理沙のひとつの表情。
「さて、と」
むくりと起き上がった魔理沙は、持ってきていたバスケットから丸めたシートを取り出して、せっせと広げ始めた。私もそれを手伝う。
シートは少しばかり狭い。バスケットの中に入っていた手作りと思しきパンや洋食料理を広げ、最後に少し埃をかぶっているランタンを取り出した。
私もそれらの料理をシートに並べるのを手伝い、魔理沙が見ていない隙にランタンの埃を落としてやったりした。火は、きっと魔理沙がつけたがるはずだからつけないでおく。
「すまないな」
「いいのよ。連れてきてもらっておいて何もしないって言うのもなんだか悪いし」
二人そろって顔を見合せて、クスクスと笑う。自宅で籠って読書や魔法の研究をするのもいいが、こんな時間も、私は好きだった。
魔理沙が無理して作った料理には、魔理沙の苦労によるうまみが利いていて美味しい。たとえば、今食べている、明らかに分量を間違えていそうなペシャメルソースを使ったグラタン。マカロニはアルデンテどころか思いっきり固ゆでだが、そんなことはどうでもいいのだ。他にもいろいろ間違えた料理を食べたが、不思議と・・・不味いとは思わなかった。
「んー・・・お前のためにいろいろ作ってはみたんだが・・・」
しばらく二人で星を見ながら無言で遅い夜食を食べていたが、魔理沙が自分の料理を全部一口食べてはお茶で流し込んでいるのを私が苦笑しながら見ていたことに気づいたらしく、私に話しかけてきた。
「味、大丈夫か?」
「あはは、魔理沙、そんなこと気にしてたの?」
「んだよ、せっかく私が心配してやってるのに」
頬を膨らます魔理沙が可愛くて、私は思わず言ってしまった。
「魔理沙が作ってくれたんだから、味なんて関係ないわよ」
「なっ、うわっ、そんなっ・・・///」
蒸気でも上げそうなほど真っ赤になった魔理沙の顔は、やっぱり可愛かった。
「それに、久々の緑茶もいいわね」
手に持った暖かい湯呑には、濃い緑色のお茶が満たされている。
水面に映り込んだ星々は、やっぱり美しく私を圧倒していった。
「何ってそりゃ、空を見てみろよ」
まるで話が通じていない。取り敢えず、私は魔法使いに言われるがままに空を見上げた。
・・・話は現在から数十分前に遡る。
私はゆっくりと寝ていたのだ。一応魔法使いという種族に入っているし、魔力で睡眠くらい補えるだろうという意見もあるが・・・そんなことは今はどうでもいい。問題は、近所に住んでいる人間の魔法使いが、その私がゆっくり眠っている真夜中に私のもとを訪れ、なぜかピクニックに誘われたということだ。こつこつとノックされたのはベッドのすぐ横にある窓で、私がカーテンを開けて真っ暗な外を見ると、魔法使い――名を霧雨魔理沙と言う――が、手に大きなバスケットを持って、箒に跨ったまま滞空していた。魔理沙はよぉ、と一言窓ごしに言うと、次には開けてくれと要求してきた。何が何だかわからないまま出かける準備をさせられ、魔理沙の箒に乗っけられて冬の真夜中の空に飛び出した。
「寒くないか?」
背中越しに聞こえる声は、私のことを気遣っていた。
冬とは言っても、秋が終わったばかりの初冬だ。初雪さえまだ降ってはいない。
「大丈夫よ。それより、いったい何の用なのかしら?」
「へへっ。昨日、夜の散歩をしてたら、ちょっといい場所を見つけたんだ。妖精もいないし、割と居心地のいい場所なんだ」
吹きつける風に乗って聞こえる魔理沙の声は、いつもより興奮しているような気がした。
「昼間じゃダメなの?」
少々呆れ気味な私の声。心のうちでは、私も興奮していたけどそれを何とか隠したくて、ついついいつもぶっきらぼうでつまらなさそうな口調になってしまう。私の悪い癖だ。
「んー・・・夜の方が、私は好きだからな」
いまいちピンとこない。でも、何にしても魔理沙は私を誘ってくれたのだ。拒否する法はない。
「ふぅん・・・まあ、いいわ。でももしもそこがつまらない場所だったら・・・」
一応の確認を取ろうとする私を魔理沙がさえぎる。力強い口調で。
「その心配はないぜ」
こんなやり取りの間、箒は魔理沙に酷使され続けている。スピードの出し過ぎで柄がしなるんじゃないかと思わせるほどだ。もう少し行くと妖怪の山に入ってしまう。私は少し心配になってきて、魔理沙の背に体重を預けるようにして不安を解消しようとした。
それを感じてか、魔理沙は低く唸るように一言。
「大丈夫、もうすぐだぜ・・・!」
・・・時は現在に戻る。
妖怪の山の麓、寒々しい様相を呈している落葉樹の林の木々の中、ぽっかりと開いた広場があった。そこにはまだ雑草のような柔らかな草が生い茂り、いくらか紅葉した落ち葉が引っ掛かって残っていたりしている。座ると、日中の日の光をたっぷりと含み残した草が柔らかく迎えてくれて、暖かい。
魔理沙に言われたとおり空を眺めると、そこには冬特有の澄んだ空気によっていつもにもまして輝き誇る星々が、まるで宝石を散りばめたかのように煌めいていた。
「・・・!」
ぐっ、と唾を飲み込む音が、やけにはっきりと聞こえた。・・・星に、圧倒された。
「すごいだろ・・・?」
横ではいつの間にか魔理沙があおむけにひっくり返って、組んだ手を枕代わりにして星を眺めていた。
その目を、瞳を見た私は、そこに映り込んだ無数の光の粒にまた圧倒された。
「すごいわ・・・」
素直に感想を述べると、魔理沙は首をめぐらしてこちらを向き、いつもの笑い顔を向けてくれた。にっと、およそ少女に似つかわしくないあの笑いだ。私が大好きな、魔理沙のひとつの表情。
「さて、と」
むくりと起き上がった魔理沙は、持ってきていたバスケットから丸めたシートを取り出して、せっせと広げ始めた。私もそれを手伝う。
シートは少しばかり狭い。バスケットの中に入っていた手作りと思しきパンや洋食料理を広げ、最後に少し埃をかぶっているランタンを取り出した。
私もそれらの料理をシートに並べるのを手伝い、魔理沙が見ていない隙にランタンの埃を落としてやったりした。火は、きっと魔理沙がつけたがるはずだからつけないでおく。
「すまないな」
「いいのよ。連れてきてもらっておいて何もしないって言うのもなんだか悪いし」
二人そろって顔を見合せて、クスクスと笑う。自宅で籠って読書や魔法の研究をするのもいいが、こんな時間も、私は好きだった。
魔理沙が無理して作った料理には、魔理沙の苦労によるうまみが利いていて美味しい。たとえば、今食べている、明らかに分量を間違えていそうなペシャメルソースを使ったグラタン。マカロニはアルデンテどころか思いっきり固ゆでだが、そんなことはどうでもいいのだ。他にもいろいろ間違えた料理を食べたが、不思議と・・・不味いとは思わなかった。
「んー・・・お前のためにいろいろ作ってはみたんだが・・・」
しばらく二人で星を見ながら無言で遅い夜食を食べていたが、魔理沙が自分の料理を全部一口食べてはお茶で流し込んでいるのを私が苦笑しながら見ていたことに気づいたらしく、私に話しかけてきた。
「味、大丈夫か?」
「あはは、魔理沙、そんなこと気にしてたの?」
「んだよ、せっかく私が心配してやってるのに」
頬を膨らます魔理沙が可愛くて、私は思わず言ってしまった。
「魔理沙が作ってくれたんだから、味なんて関係ないわよ」
「なっ、うわっ、そんなっ・・・///」
蒸気でも上げそうなほど真っ赤になった魔理沙の顔は、やっぱり可愛かった。
「それに、久々の緑茶もいいわね」
手に持った暖かい湯呑には、濃い緑色のお茶が満たされている。
水面に映り込んだ星々は、やっぱり美しく私を圧倒していった。
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プロフィール
HN:
詩乃
年齢:
31
性別:
非公開
誕生日:
1993/03/14
職業:
専門学校生
趣味:
SS執筆、ゲーム、Twitter
自己紹介:
【詩乃】
趣味でSSを書いてます。
恋愛の形としては、そこに愛さえあればどんな組み合わせでもいいと思う。
・・・という理念の下、創作活動を行っております。
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恋愛の形としては、そこに愛さえあればどんな組み合わせでもいいと思う。
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