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物語は終わりに向かって進めていきたい感じ。
おおよそ2年ぶりの更新ですね。当時読んでた人はもう誰もいないだろうな・・・w
本文は、続きを読むをクリックして開いてください。
おおよそ2年ぶりの更新ですね。当時読んでた人はもう誰もいないだろうな・・・w
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私――何の変哲もない女の子、詩乃は、机の横に山と積まれた分厚い本の山に一瞥をくれて、時計の針が重なるのを確認してベッドに入ることにした。
読みかけの本は愛おしくあっても、読み終えた本に用はないのだ。物語の中だとしても、同じ時は二度と流れることはない。私はそう思う。ならば私もその一度きりの物語を一度きりとして扱い、読み切ってみせよう。そう思い、そのようにし始めたのはいつごろからだろうか・・・。
常のごとく、私は自分の無駄な思考を嗤う。天蓋付きの大きなベッドの支柱を撫でながら、私は夢に落ちて行く。意識が途切れる寸前、カーテンを引いて、現実と夢の境界線を作りだした。
「今日は、どんな夢かな」
私の夢は、レム睡眠もノンレム睡眠も関係ない。いつも同じ場所に降り立ち、同じ人と出会い、同じ空を見上げる。しかし、夢の中ですることは毎回違う。そして時間も流れる。木々も人々も、時を見せてくれる。なぜならこれは終わりない物語。一度きりを永遠に続ける夢なのだから。
いつもの噴水のベンチに、私は座っていた。眠りに落ちてからベンチに到着するまでは、あっという間どころか、人間には感知できないほどの一瞬だ。
そして私がベンチに現れるなり、飛びついてくる柔らかい感触。
「詩乃ー!やっほ!」
「わ、ちょっ、落ちる、ベンチから落ちるからやめ、あっ」
抱きつかれた反動で私はベンチから転げ落ちた。抱きついてきた女の子――琴夢がとっさに回してくれた腕にかばわれて、頭だけは石畳にぶつけなくて済んだ。
「ごめんごめん」
てへへと笑う琴夢は、黄がかった翠の髪をふわりと揺らしながら私を立ち上がらせてくれる。抱きつかれて始まる夢はよくあれど、ベンチから転げ落ちることはなかなかなかった。
「琴夢、ちょっとはしゃぎすぎだよ」
ちょっとむくれて言ってやる。
一瞬の間があって、私たちはどちらからともなく笑い出した。
「今日は何をしようか」
「そうねぇ・・・」
決定権は私にある。とはいえお互いが納得することしかしない私は、いつも琴夢に意見を求めてしまうのだった。
「どうしよ」
「どうしよ、じゃないわよ、今日は詩乃が何するか決める日でしょ」
諭すように言われて、まあその通りだからうなずくしかない。
私はたっぷり時間をかけて、結論を出した。
「図書館、いこ?」
琴夢が良い感じにコケた。
ふわぁぁー・・・と、あくびが館内にこだまする。聞こえるものなんて受付で交わされるぼそぼそした事務的な会話と、時折鳴る足音くらいのものなので、琴夢の場違いなあくびはことさら目立ってしまっていた。
都心にある有名な・・・なんとかドームに匹敵する大きさの図書館に、私たちは来ている。歩く図書館と呼ばれたこともある私だが、現実側にこんな大きな図書館はないし、あったとしても行かないので、たまに来れるこの図書館が好きだった。
構造は、3階建て。と言っても地上部分は2階までしかなく、膨大すぎる蔵書を良好な状態で保管しつつ閲覧もできるように空調が完璧に整備された地下がある。私は琴夢を引き連れて地下に入り、物凄くつまらなさそうな琴夢をほったらかしにして蔵書漁りに熱中していた。この棚を見始めてそろそろ30分近いだろうか・・・。
「ねぇ詩乃~、私2階のラウンジにいてもいーいー?」
思ったよりは粘ったほう、だったかな。予想では入った瞬間Uターンする感じだったのだけど。
私は少し笑いながら、けれども、
「だめー。もう少し付き合ってよ、すぐ終わるから」
なんて言ってしまうのだった。普段琴夢のペースに乗せられてばっかりなので、こういう場面は貴重なのだ。
「あー・・・うー・・・」
琴夢はなんだか干されたみたいに薄っぺらい存在感を放ちながら、くねくねしていた。
ちゅー。コップはいっこ。ストローは二本。
「あー、生き返るわー」
琴夢はストローから口を離して、一息ついたようだった。
私はと言うと、持ってきた数冊の本を順繰りに消化している最中だ。持ってきた本の数は、テーブルがたわみそうなくらい。持って帰れるわけではないので、琴夢の言葉に耳を傾けている暇は無かった。
「・・・つまらん」
琴夢がつぶやく。私は黙々とページをめくる。
速読術を身につけているので・・・というか、読んでいるうちに勝手についただけだが、たかが数百ページの本なら1時間もあれば読み終わる。日は傾きかけているが、本の山はすでに読み終えた山のほうが高くなっていた。
「詩乃ー」
「なぁに?」
呼ばれたので一応反応しとく。
「いつ終わんのよ」
「・・・」
私は、最後のページをめくって、バタンと本を閉じた。
「全部読み終わったら終わるよ」
「そうじゃなくてさー」
次の本を手に取る。私が読む本は全て900番台・・・要するに文学書だ。
「っていうか詩乃、読むの速すぎじゃない?頭に入ってるの?」
「一冊一冊のストーリーと盛り上がりどころ、言っていけばいい?」
私はページをめくりながら喋る。すでに十数ページ分が私の頭の養分になっていた。
「いや、私活字苦手だしいいわ・・・」
琴夢が嫌々するように手を突き出して振る。
ちゅー・・・ごろごろごろ。琴夢がジュースを飲みほした。
暇を持て余した琴夢は、さまざまないたずらを仕掛けた。
まず、髪を梳かれた。気持ちよかったので放っておいた。
次に、梳いた髪を束ねられた。たまに引っ張られて痛かったけど、これも放っておいた。後で確認したら、自己評価似合わない髪型ナンバーワンのツインテールにされていたのはびっくりしたが。
さらけ出された首筋に息を吹きかけられたり、いつも首から下げている真鍮の懐中時計を上下させられたり。いたずらは多岐に及んだ。
「・・・詩乃、本を読んでる間って何しても反応しないの・・・?」
「だって読むほうが大事だもん」
おくびも無く。
「し、詩乃・・・私より、本のほうが大事だって言うのねーっ!もう知らないわ!」
琴夢は大げさに髪をひるがえしながらくるくる回って、床に倒れ込んだ。
「別次元だよ、琴夢も大事だけど本も大事なの」
そのまま琴夢はめそめそしはじめた。
私は本を受け付けに返却して、琴夢の手を引いて図書館を出た。
「ねぇ、詩乃?」
「んー?」
噴水広場への帰り道。
「いつもあんな分厚い本を読んでるの?」
「そうだね、起きてるときも本を読んでばっかり、かなー」
「・・・詩乃ってさ」
琴夢が歩みを止める。手を引いていた私は、琴夢が歩かなくなったことで立ち止まらざるを得なくなった。そして琴夢が私の前に回り込んで来る。
「詩乃はさ、本と人と、どっちが大事なの?」
「え、だからさっき、別次元だって・・・」
琴夢は大仰に手を広げて語りかけ始めた。
「好きなのはいいけどさ・・・没頭しすぎだよ・・・?」
そして、次の一言は私を突き刺すものだった。
「詩乃、友達、ちゃんといるの?」
世界が止まった。
「琴夢には、関係ないでしょ・・・・ッ」
言葉の端に異様に力が入ってしまい、琴夢が一瞬おびえた顔をした。
一瞬。ほんの、一瞬でも、こんなに感情を出したのは、いつぶりだろう・・・。
「ご、ごめん・・・」
さっきまでの説教姿勢はどこかに飛んで、琴夢の顔には申し訳なさばかりが浮かんでいた。
「私こそ、ごめん。琴夢を蔑にしすぎたのは、謝らなきゃ」
「・・・うん」
変な空気になって、私たちはまた歩きだす。鉛の靴を履いているかのように、足が重かったが、逆に一刻も早く夢から覚めたいような感覚もあった。
喋るだけならば、StarlightCoffeeなんかより、ベンチのほうが落ちつくのが私たちだ。ざばざばと水が流れ落ちる音にかき消されないように、少し大きな声で話さなければいけないのが面倒ではあるが。
「琴夢、今日はありがとね」
「ん、なんで?私なんかダダ捏ねてばっかりだったのに」
「それでも、だよ」
私にも、多少は後悔の念があった。
「わがままを謝ったら、次はお礼。そうじゃない?」
あ、いけない。涙がこぼれる。
私たちはどちらからともなく、抱き合って、少しばかりの涙を流した。
昔は、私たちが子どもだったころは、よくあることだった。今でこそ喧嘩なんてしなくなったけど、昔は行き先決めですら喧嘩に発展することが多かったのだから。
「もう、時間だね」
琴夢が私の懐中時計を勝手に開いて、時間を確認していた。
「あれ」
当然ながら、ふたの裏側にこっそり貼っていた写真が琴夢にも見えてしまう。
「詩乃ったらさ、こんな昔の写真貼っちゃって・・・」
琴夢がくすくすと笑う。もう10年以上前の写真が、そこには貼ってあるのだ。
「笑わないでよ、もう」
でも、この笑いは心地よかった。
天蓋付きベッドで、私は目を覚ました。
そのままカーテンを少し乱暴に開けて、靴を履いて、机に直進する。
夢日記を開いて、私はしばらく前と同じように、ペンで殴りつけるように日記に夢を記していく。
抑えつけられないほどの感情が湧きあがるなど、滅多にないことなのだ。苛立ちを隠せず、日記は数ページがぼろぼろになって使いものにならなくなってしまっていた。
日記いじめに飽きて時計を見る。
時計の長針は、100°ほどを指していた。
読みかけの本は愛おしくあっても、読み終えた本に用はないのだ。物語の中だとしても、同じ時は二度と流れることはない。私はそう思う。ならば私もその一度きりの物語を一度きりとして扱い、読み切ってみせよう。そう思い、そのようにし始めたのはいつごろからだろうか・・・。
常のごとく、私は自分の無駄な思考を嗤う。天蓋付きの大きなベッドの支柱を撫でながら、私は夢に落ちて行く。意識が途切れる寸前、カーテンを引いて、現実と夢の境界線を作りだした。
「今日は、どんな夢かな」
私の夢は、レム睡眠もノンレム睡眠も関係ない。いつも同じ場所に降り立ち、同じ人と出会い、同じ空を見上げる。しかし、夢の中ですることは毎回違う。そして時間も流れる。木々も人々も、時を見せてくれる。なぜならこれは終わりない物語。一度きりを永遠に続ける夢なのだから。
いつもの噴水のベンチに、私は座っていた。眠りに落ちてからベンチに到着するまでは、あっという間どころか、人間には感知できないほどの一瞬だ。
そして私がベンチに現れるなり、飛びついてくる柔らかい感触。
「詩乃ー!やっほ!」
「わ、ちょっ、落ちる、ベンチから落ちるからやめ、あっ」
抱きつかれた反動で私はベンチから転げ落ちた。抱きついてきた女の子――琴夢がとっさに回してくれた腕にかばわれて、頭だけは石畳にぶつけなくて済んだ。
「ごめんごめん」
てへへと笑う琴夢は、黄がかった翠の髪をふわりと揺らしながら私を立ち上がらせてくれる。抱きつかれて始まる夢はよくあれど、ベンチから転げ落ちることはなかなかなかった。
「琴夢、ちょっとはしゃぎすぎだよ」
ちょっとむくれて言ってやる。
一瞬の間があって、私たちはどちらからともなく笑い出した。
「今日は何をしようか」
「そうねぇ・・・」
決定権は私にある。とはいえお互いが納得することしかしない私は、いつも琴夢に意見を求めてしまうのだった。
「どうしよ」
「どうしよ、じゃないわよ、今日は詩乃が何するか決める日でしょ」
諭すように言われて、まあその通りだからうなずくしかない。
私はたっぷり時間をかけて、結論を出した。
「図書館、いこ?」
琴夢が良い感じにコケた。
ふわぁぁー・・・と、あくびが館内にこだまする。聞こえるものなんて受付で交わされるぼそぼそした事務的な会話と、時折鳴る足音くらいのものなので、琴夢の場違いなあくびはことさら目立ってしまっていた。
都心にある有名な・・・なんとかドームに匹敵する大きさの図書館に、私たちは来ている。歩く図書館と呼ばれたこともある私だが、現実側にこんな大きな図書館はないし、あったとしても行かないので、たまに来れるこの図書館が好きだった。
構造は、3階建て。と言っても地上部分は2階までしかなく、膨大すぎる蔵書を良好な状態で保管しつつ閲覧もできるように空調が完璧に整備された地下がある。私は琴夢を引き連れて地下に入り、物凄くつまらなさそうな琴夢をほったらかしにして蔵書漁りに熱中していた。この棚を見始めてそろそろ30分近いだろうか・・・。
「ねぇ詩乃~、私2階のラウンジにいてもいーいー?」
思ったよりは粘ったほう、だったかな。予想では入った瞬間Uターンする感じだったのだけど。
私は少し笑いながら、けれども、
「だめー。もう少し付き合ってよ、すぐ終わるから」
なんて言ってしまうのだった。普段琴夢のペースに乗せられてばっかりなので、こういう場面は貴重なのだ。
「あー・・・うー・・・」
琴夢はなんだか干されたみたいに薄っぺらい存在感を放ちながら、くねくねしていた。
ちゅー。コップはいっこ。ストローは二本。
「あー、生き返るわー」
琴夢はストローから口を離して、一息ついたようだった。
私はと言うと、持ってきた数冊の本を順繰りに消化している最中だ。持ってきた本の数は、テーブルがたわみそうなくらい。持って帰れるわけではないので、琴夢の言葉に耳を傾けている暇は無かった。
「・・・つまらん」
琴夢がつぶやく。私は黙々とページをめくる。
速読術を身につけているので・・・というか、読んでいるうちに勝手についただけだが、たかが数百ページの本なら1時間もあれば読み終わる。日は傾きかけているが、本の山はすでに読み終えた山のほうが高くなっていた。
「詩乃ー」
「なぁに?」
呼ばれたので一応反応しとく。
「いつ終わんのよ」
「・・・」
私は、最後のページをめくって、バタンと本を閉じた。
「全部読み終わったら終わるよ」
「そうじゃなくてさー」
次の本を手に取る。私が読む本は全て900番台・・・要するに文学書だ。
「っていうか詩乃、読むの速すぎじゃない?頭に入ってるの?」
「一冊一冊のストーリーと盛り上がりどころ、言っていけばいい?」
私はページをめくりながら喋る。すでに十数ページ分が私の頭の養分になっていた。
「いや、私活字苦手だしいいわ・・・」
琴夢が嫌々するように手を突き出して振る。
ちゅー・・・ごろごろごろ。琴夢がジュースを飲みほした。
暇を持て余した琴夢は、さまざまないたずらを仕掛けた。
まず、髪を梳かれた。気持ちよかったので放っておいた。
次に、梳いた髪を束ねられた。たまに引っ張られて痛かったけど、これも放っておいた。後で確認したら、自己評価似合わない髪型ナンバーワンのツインテールにされていたのはびっくりしたが。
さらけ出された首筋に息を吹きかけられたり、いつも首から下げている真鍮の懐中時計を上下させられたり。いたずらは多岐に及んだ。
「・・・詩乃、本を読んでる間って何しても反応しないの・・・?」
「だって読むほうが大事だもん」
おくびも無く。
「し、詩乃・・・私より、本のほうが大事だって言うのねーっ!もう知らないわ!」
琴夢は大げさに髪をひるがえしながらくるくる回って、床に倒れ込んだ。
「別次元だよ、琴夢も大事だけど本も大事なの」
そのまま琴夢はめそめそしはじめた。
私は本を受け付けに返却して、琴夢の手を引いて図書館を出た。
「ねぇ、詩乃?」
「んー?」
噴水広場への帰り道。
「いつもあんな分厚い本を読んでるの?」
「そうだね、起きてるときも本を読んでばっかり、かなー」
「・・・詩乃ってさ」
琴夢が歩みを止める。手を引いていた私は、琴夢が歩かなくなったことで立ち止まらざるを得なくなった。そして琴夢が私の前に回り込んで来る。
「詩乃はさ、本と人と、どっちが大事なの?」
「え、だからさっき、別次元だって・・・」
琴夢は大仰に手を広げて語りかけ始めた。
「好きなのはいいけどさ・・・没頭しすぎだよ・・・?」
そして、次の一言は私を突き刺すものだった。
「詩乃、友達、ちゃんといるの?」
世界が止まった。
「琴夢には、関係ないでしょ・・・・ッ」
言葉の端に異様に力が入ってしまい、琴夢が一瞬おびえた顔をした。
一瞬。ほんの、一瞬でも、こんなに感情を出したのは、いつぶりだろう・・・。
「ご、ごめん・・・」
さっきまでの説教姿勢はどこかに飛んで、琴夢の顔には申し訳なさばかりが浮かんでいた。
「私こそ、ごめん。琴夢を蔑にしすぎたのは、謝らなきゃ」
「・・・うん」
変な空気になって、私たちはまた歩きだす。鉛の靴を履いているかのように、足が重かったが、逆に一刻も早く夢から覚めたいような感覚もあった。
喋るだけならば、StarlightCoffeeなんかより、ベンチのほうが落ちつくのが私たちだ。ざばざばと水が流れ落ちる音にかき消されないように、少し大きな声で話さなければいけないのが面倒ではあるが。
「琴夢、今日はありがとね」
「ん、なんで?私なんかダダ捏ねてばっかりだったのに」
「それでも、だよ」
私にも、多少は後悔の念があった。
「わがままを謝ったら、次はお礼。そうじゃない?」
あ、いけない。涙がこぼれる。
私たちはどちらからともなく、抱き合って、少しばかりの涙を流した。
昔は、私たちが子どもだったころは、よくあることだった。今でこそ喧嘩なんてしなくなったけど、昔は行き先決めですら喧嘩に発展することが多かったのだから。
「もう、時間だね」
琴夢が私の懐中時計を勝手に開いて、時間を確認していた。
「あれ」
当然ながら、ふたの裏側にこっそり貼っていた写真が琴夢にも見えてしまう。
「詩乃ったらさ、こんな昔の写真貼っちゃって・・・」
琴夢がくすくすと笑う。もう10年以上前の写真が、そこには貼ってあるのだ。
「笑わないでよ、もう」
でも、この笑いは心地よかった。
天蓋付きベッドで、私は目を覚ました。
そのままカーテンを少し乱暴に開けて、靴を履いて、机に直進する。
夢日記を開いて、私はしばらく前と同じように、ペンで殴りつけるように日記に夢を記していく。
抑えつけられないほどの感情が湧きあがるなど、滅多にないことなのだ。苛立ちを隠せず、日記は数ページがぼろぼろになって使いものにならなくなってしまっていた。
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プロフィール
HN:
詩乃
年齢:
31
性別:
非公開
誕生日:
1993/03/14
職業:
専門学校生
趣味:
SS執筆、ゲーム、Twitter
自己紹介:
【詩乃】
趣味でSSを書いてます。
恋愛の形としては、そこに愛さえあればどんな組み合わせでもいいと思う。
・・・という理念の下、創作活動を行っております。
趣味でSSを書いてます。
恋愛の形としては、そこに愛さえあればどんな組み合わせでもいいと思う。
・・・という理念の下、創作活動を行っております。
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